BRIDGE TERMINAL SECIプレイスEvent Vol.15 20240606 片付けパパ対談シリーズ#21

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演者:
鈴木奈津美(なつみっくす)様(一般社団法人母親アップデート・代表理事)
大村信夫氏(パラレルキャリア研究家・SECI プレイスアンバサダー)
日時:2024/6/6(木) 19:00~20:00(講演会) 20:00~(QA&懇親会)
場所:オンライン(Teams)
配信:BRIDGE TERMINAL
会費:無料
申込:740名
主催:Mission Lab
後援・協力:BRIDGE TERMINAL / NPO法人SECI プレイス /ideal brands.jp LLC

https://taidan-20240606.peatix.com/

◆なつみっくすさんは外向型ですよね?

「なつみっくす」こと鈴木奈津美さんは一般社団法人母親アップデート1の代表理事であり会員数220人を超える「母親アップデートコミュニティ(HUC)」を束ねていらっしゃいます。写真は同法人のサイトからお借りしたものですが、すごくないですか?

そんな鈴木さん(以下尊敬と親愛をこめてなつみっくすさんと呼ばせていただきます)ですが、「静かで控えめ」な内向型だと自称され、小さいころからコンプレックスを感じていたそう。意外ですね。かと言って、今はバリバリの外向型に変貌を遂げられた?ということではないようです。「内向型の私を変えずに変えた」内向型の資質や特性を強みに変えればいい、いわば内向型アップデートを実践してこられ「ひとりひとりが個性と可能性を解放する」ことの大切さを実感し、今の精力的な活動に繋げられてきた、その挫折と好転の歩みの中で得られた100の気づきを本に纏められたのが初の著書「I型(内向型)さんのための100のスキル【BOW BOOKS024】」です。今回は本のテーマである内向型についての向き合い方や、出版・上梓までの道のりなどのお話をお伺いいたしました。

◆3つの壁その1ー「私に書けることなんて、あるのだろうか?」ー

自分は内向的だと仰るなつみっくすさんが出版?一見矛盾するようですが、じつはそこに内向型の特長が生かされたところもあり、悩んだところでもあるということで、「3つの壁(メンタルブロック)」があったそうです。
はじめは、3年ほど前に、5年続けてきた母親アップデートの活動を、本というかたちで届けることができたらと考え、色々出版社さんを当たったり企画書を送ったりしたもののことごとく撃沈。そんな時、干場弓子さんの出版講座2を見つけるも1年目は参加する勇気がなく※、2年目に意を決して参加するも、予想通り?(愛ある)ダメ出しの連続にあい、「私に書けることなんて、あるのだろうか?」となるわけです。

※ -このあたりはまさに「内向的」ですね。でもこの時留まろうとする弱気に飛び込む気持ちが勝ったのはなつみっくすさんに「やりたい」「越えたい」「書きたい」という気持ちが勝ったから、目指す世界が見えていたからだと思うのです。なにかを乗り越えるときには必ず強い願望がある、それが強ければ強いほど高く、遠くへ行ける、続けることができると思うのです。-

「誰もあなたの本を読みたいと思っていない」

「読書は本来、人にとって苦痛」
「時間とお金を払ってまで、あなたの本を読む価値はあるのか?」
「それでも自分が書かなければならない重要なあなたのミッションとは何か?

干場さんからの厳しくも愛あるコメントに落ち込むも、ここで終わらないのがなつみっくす的内向型。本と内向型は相性がいい。たとえ会話が苦手であっても本という媒体を通して著者と読者が1対1で対話ができる感覚もあり、執筆も自分自身の内省に通ずると感じたそうです。コミュニティ運営をやるようになって、自分自身の良いところに気づいたり、他の内向的なメンバーにもいいなと思えることがあったりして、外向型だけがすべてじゃない、内向型だって良いところはあるし、ならではの強みだってある。多様性と言われる時代に、今まで以上に内向型の活躍の仕方があるのではないかと思い至り、「シン・内向型」というタイトルで用意周到準備万端のプレゼンでステージクリヤー!
その時に干場さんに言われた一言が、

「 なんかプレゼンがうまくて、内向型っぽくないね。」

って最高の誉め言葉じゃないですか?

次のステップである面談のキップを手に入れます。

◆3つの壁その2ー「私が書く意味ってあるのだろうか?」ー 

プレゼンは、やり切った。面談に進めた!でもここでもまたメンタルブロックが発動します。
こと内向型との向き合い方や処方箋だけでも、世の中には既に名著があふれているなか、

「私が書く意味ってあるのだろうか?」

という内向きな感情が沸き起こります。もうそこに完成品がたくさんあるというのに、この上何を被せることができるのかと。読めば読むほど、落ち込むなつみっくすさん。

追い打ちをかけるようにまた愛あるナイフがグサッと、

「誰もあなたの本を読みたいと思っていない」
「読書は本来、人にとって苦痛」
「時間とお金を払ってまで、あなたの本を読む価値はあるのか?」

「それでも自分が書かなければならない重要なあなたのミッションとは何か?」

!! そうか!
ミッション!
私のミッションは、

『ひとりひとりが可能性を開放するキッカケをつくる』

だったと我に返ります。

このミッションがあったからこそ、内向的な自分でもコミュニティの運営を5年も続けられたのではないか。一方『盛り上がっている』コミュニティへの参加を気後れしてしまう内向型のひともいて、自分も同様だからそのキモチに寄り添える。内向型のひとでも入りやすいコミュニティがあってもいいし、自己の可能性を開放するキッカケになってほしいと、内向型の自分がリーダーであることの意味と、内向型ならではの価値を発見したのです。

ミッションはわかったと、でもやっぱり並み居る名著になつみっくすさんビビります。
普通に立ち向かっても互角には戦えない、向こうはピカピカの完成品、料理で言うならフルコースのフレンチ。
そこで一計、戦略を練るわけです。

ピンチョス!3

あちらがお腹いっぱいなフルコースなら、こちらは一口サイズで行こうと。誰でも何時でもフレンチを食べたいわけじゃない。壮大な理論ではなく、実体験に基づいた誰でもすぐ実践できる小さな一つ一つのエピソードを一口サイズにして、それを100個集めることで自分らしさが出せないかと考えたのです。「読むのが苦痛」なひとだっていっぱいいるだろうと。
見事にナイフを返す伏線回収。
内向型の戦術100個で戦う〇〇大全型の戦略が定まりました。自分自身のオリジナリティはないとご謙遜されていましたがライターはそうは思いません。これはなつみっくすさんによる内向型さんに向けたキュレーションだと思いますよ。

◆3つの壁その3ー「世の中に出していくことへの不安」ー

脱稿後なつみっくすさんの意識は意図せず出版から遠ざかります。『本をだします』と自ら言うのが恥ずかしい気持ちがあり、発売日が公開されるまで誰にも言っていなかったそう。外向型の人には『ちょっとナニイッテルカワカラナイ』的な感想を持たれるかもしれないけれど、他の人の書き込みで発売日を再認識してまた焦ります。

本が、自動的に売れることはない…

ご存じの方もいらっしゃるでしょうが、出版業界では再販制度と言って売らなかった本は出版社に返品(返本)できるシステムなんですね。書店に本が並ぶというのは本を出したことがないライターからみればそれだけで凄いことですけれども、並べただけで飛ぶように売れるわけではないということ。表紙がいかにキャッチーであっても手に取ってもらえこそすれ、買ってくれるとは限らないのです。そう考えると、うれしいはずの平積みも在庫の山に見えてくる。「この並んでいる5冊を売り切るにはどうしたらいいんだろう」とプレッシャーに苛まれたのだそうです。内向型はネガティブ感情が自分に向かうのです。

でもこのネガティブ感情を救ったのもまた内向型の資質でした。そもそも不安や恐怖は生命体としての生存本能です。このことを理解すればネガティブな感情はリスク察知のシグナルであると考えられ、次にとるべき対処行動につながります。

できる打ち手は、全部やるのみ

再びスイッチが入ります。『本をだします』がなぜ恥ずかしかったのか、それはプロモーションが自己アピールだと感じていたから。内向型の柄じゃないわけです。でもなぜ本を出すのか?という原点に立ち返った時に、届けたい想いがあり、届けたい人がいて、外向型の人にも内向型のことを理解してもらいたいし、内向型が生きやすい社会にしたい、それが本と自分の役割だと。そして今まで自分が他者(他書)から学んで実践できたこと、それを届けたい人に届けないのなら、機会をくださった方々の恩を仇で返すことになる。プロモーションは自己アピールではなく感謝であり恩送りなのだと転換して、ひとりでも多くの人に届くように、「できる打ち手は、全部やるのみ」で活動しているそうです。
このイベントも含め、あちこちの場でお見かけすることが多かったのはそんな思いがあったのかと合点がいきました。

怒涛のプロモーションイベントほんの一部
「なつみっくす」の由来を教えてください

本名、鈴木奈津美では平凡な名前なので覚えてもらえない。
多様な価値観をミックスする、の意味をかけている。
キャラクター化にする事により自分を前面に押し出すのではなく「売り子」という別人格にモードチェンジすることで折り合いをつけた。

ー なるほどさすが、内向型とブランディングが両立してます。

  1. 母親アップデートコミュニティ(HUC) | 一般社団法人母親アップデート | HAHAOYA UPDATE ASSOCIATION (haha-update.com) ↩︎
  2. 次世代ビジネス書著者発掘 | NewsPicks NewSchool | 学ぶ、創る、稼ぐ ディスカヴァー・トゥエンティワンの創業社長である干場弓子氏よりビジネス著者としての神髄とスキルを体得。次世代の発信者を発掘し、未来のビジネス著者を創出することを目指すプロジェクトです。(現在は申込終了しています) ↩︎
  3. 「ピンチョス」とはスペイン料理の一種で、串や楊枝に刺した一口サイズの軽食のこと。語源は「串」や「楊枝」を意味する「ピンチョ(pincho)」で、その複数形が「ピンチョス(pinchos)」になります。https://www.kurashiru.com/articles/452dede7-de57-4a57-8f7a-bfd1480667cd ↩︎
◆らいたーずぼいす

なつみっくすさんとは確か4年ほど前に別のコミュニティでお会いして以来ですが、一般社団法人母親アップデート代表理事、会員数200人を超える「母親アップデートコミュニティ」を5年にわたり運営、企業の組織開発やリーダーシップ研修を展開し、これまで実施してきたイベントは1,000回を超えます。。。外向型なの?コミュニケーションモンスターやん! ライターもずっとそう思ってました。
内向型は資質でありプラスである。捉え方とあり方を変えるることによってコンプレックスは強みに変わりました。
その典型的な例が「本」なのです。意識が内面に向かう内向型にとって、本は自分との対話であり、著者との1対1の対話でもあります。また、本を書くこと(テキストベース)は声の大きい者に圧倒されることもなく、自分のペースで思いや考えを発信できる格好のツールとなります。
静かで控えめな人の暗黙知は本というメディアによって表出化され広く共同化されるわけです。そのことは内向型に自己受容と行動する理由を与えることでしょう。
『ひとりひとりが個性と可能性を解放する』
母親アップデートコミュニティのコアコンセプトでもあるこの言葉は、なつみっくすさん自身のことでもあるのです。

◆なつみっくすさんの著書

静かな人の時代がやってきた!
内向型の生き方の本を100冊読んで実践して、うまくいっていることベスト100
厳選50冊のブックガイド付き

「I型さん」とは、「内向型(Introvert)」のことであり、「外向型(Extrovert)」と並んでよく用いられます。最近は、「静かな人」と並んで内向型の代名詞のように用いられています。

本書の特徴は、内向型の著者が、内向型の本を100冊読み、実践することによって、内向的なままで、会員数200人を超える一般社団法人を設立、代表理事としてリーダーシップを振るまでにいたった実績に基づき、特に役に立ったスキルを上げているところです。
学んできた書籍から、50冊を厳選して、詳細な概要の紹介もあります。

どこから読んでも、必要なときに必要なところだけ読んでも大丈夫。内向型の頼れるパートナーたる一冊となることでしょう。

https://www.amazon.co.jp/dp/4502504610

▼書籍詳細(Amazon)
https://www.amazon.co.jp/dp/4502504610

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◆講演資料のご案内 ならびに皆様へのお願い

資料はこちらからダウンロードできます。
講演者のご厚意での提供ですので、お取り扱いには何卒御留意ねがいます。

◆鈴木奈津美(なつみっくす)さんの情報


東京都出身。青山学院大学卒業。会社員と一般社団法人母親アップデート・代表理事の複業。組織開発やリーダーシップなどの講座を展開する。
小さい頃から静かで控えめで目立たず、自身の内向性にコンプレックスを感じる。大学卒業後、2002年に日本ヒューレット・パッカード株式会社に就職。
「自己アピールしなくても誰かが認めてくれるはず」と思っていたが、何のキャリアアップも無いまま30代に。焦りを感じ、社内異動や転職にチャレンジするも、何度も失敗。
本をきっかけに「内向型の自分を変えるのではなく、強みを活かせばいい」と気づいてからは、人生が好転。
「ひとりひとりが個性と可能性を解放する」ことの大切さを実感し、2019年に母親アップデートコミュニティを設立。活動を広げていくため、2020年に一般社団法人母親アップデートを起業。毎週実施しているイベントは累計1,000回以上、累計有料会員は500名以上に。この経験を活かし、組織開発やリーダーシップなどの講座を展開。2022年には人生初めての転職をし、ひとりひとりが本来持っている可能性を解放するキッカケをつくるため活動中。

著書
『I型(内向型)さんのための100のスキル』(中央経済社)

▼一般社団法人母親アップデート
https://haha-update.com/

◆次回のイベント案内

あなたにとって、「資格」とは何でしょうか?

「片付けパパ」こと 大村 信夫 さんが、旬なトピックでゲストと対談するシリーズ。
(片付けパパ対談シリーズ → https://note.com/omuranobuo/n/n27ea6dd27151 )

第22回目は、社労士でありながら400以上の資格を取得した「資格ソムリエ」の林雄次さんをお招きし、

「資格が教えてくれたこと」
~ 400以上の資格を取ってわかった本当に必要な資格とスキル ~

というテーマでお話を伺います。


詳細・お申し込みはこちらです(Peatixページに移動します)
https://taidan-20240704.peatix.com/

◆運営について

この活動は、NPO法人SECIプレイスの社会教育の一環としての位置付けでもあります。

運営メンバー(五十音順):青木千恵 青山純平 大崎功一 中村恒司 原田篤史 眞島かな子

レポート作成:NPO法人SECI プレイス
取材:田中やえ/村松成治
ライティング監修:清水美也子@Assemblage LLC
WEB構成:水野昌彦@ideal brands.jp LLC
主催代表:大村信夫(片付けパパ)

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