有志でSECIを学んできました!
~日本ナレッジ・マネジメント学会第27回年次大会参加レポート~
2024年12月1日(日) 、晩秋のみごとな青空のもと、立教大学池袋キャンパスにて日本ナレッジ・マネジメント学会の第27回年次大会が開催されました。

大会テーマは『ナレッジ・マネジメントとAIの新局面~具体的な活用に向けて』でした。
午前の部は会長による挨拶、基調講演ならびにミニ講演、そしてパネルディスカッションという構成。
午後の部は自由論題の研究発表が十本という盛りだくさんのプログラム。
午前はAI主体でしたが、午後の話題は多岐にわたります。当法人の副代表理事である大崎 功一が研究発表で登壇しました!ナレッジ・マネジメントの根幹フレームワークであるSECIモデルを学ぶには最高の場です。
〜有識者の方々、学会メンバー、一般参加者の皆様とともに、考える機会としたいと思います〜
という学会からのメッセージを受け、われわれSECILALAからも多くの参加者がジョインしたのでした。
◆研究発表
論題:「SECIモデル再考:小さく回す知識創造スパイラル」
報告者: SECI体感ラボ主宰、SECIプレイス副代表理事 大崎 功一氏
◆研究発表
論題:「味の素ヘルシーサプライ(株)におけるC-Hub推進活動のご紹介」
報告者: 味の素ヘルシーサプライ株式会社 向井計都氏
なんとSECILALAまわりの研究発表がふたつも。
そして聴講参加してくれたメンバー18名
こんなに多くの仲間がSECIを学びに集った、わけです。これぞおとなの自主的な学び、なんと喜ばしいことかな!
SECILALAの設立主旨を振り返ると、
- ナレッジ・マネジメントのフレームワーク「SECIモデル」をベースにした活動
- メンバーの心理的安全性を確保し、楽しく繋がり学び合い助け合える場
机の上で理論をこね回すより、先ずは小さくてもいいから動こうよ、楽しく集おうよ、という想いをまさに実践したのだと思います。
現場の息吹を伝えるために、何人かのメンバーに感想をしたためてもらいました。ここに、レポートという形でお届けします。
【発表者所感】大崎功一

この度、日本ナレッジ・マネジメント学会にて発表させて頂きました。
研究者でもない身で学会に登壇することは大変恐縮ではありましたが、日々のナレッジ・マネジメント活動を通して感じていたSECIモデルの捉え方(まさに暗黙知)について、発表させて頂きました。
発表内容としては、「SECIモデル再考」という挑戦的なテーマを掲げさせて頂きました。こちらは、SECIモデルを「イノベーションの理論」としてではなく、「組織活性化の理論」として捉え、イノベーションはその結果として生じる、という捉え方をご提示させて頂きました。
研究としては粗削りな点も多々あったかと思いますが、会場の皆様からは非常に前向きなご質問を多数頂戴し、研究者でなくとも受け入れて頂ける学会の懐の深さを感じました。海外への活用可能性や、アジャイル/スクラムとの関係性、ワークショップ後の自発的なアクションが継続している理由など、多岐にわたるご質問を頂き、私自身も楽しく質疑応答させて頂きました。
また、最後に一條先生からも応援のお言葉を頂戴し、今後もSECIモデルの普及活動を継続していく決意を新たにすることができました。
本業と並行しての学会発表は大変ではありましたが、私自身にとっても新たな発見やご縁に恵まれ、学会の魅力的な雰囲気に触れることができ、発表して本当に良かったと感じています。
来年の学会でも、SECIプレイス・SECILALAからどなたかが発表されることを期待しています!どうもありがとうございました!
◆参加してくれた皆さんからの声

ナレッジ・マネジメントに携わる方々は、とてもフラットでオープンでした。
「ナレッジ・マネジメントと AI の新局面~具体的な活用に向けて」と題された今回の大会。AIの凄さに驚かされるだけでなく、学会員のみなさまのお人柄からナレッジ・マネジメントの本質を深く感じ取ることができました。
たとえば、一條会長は初めてお会いしたにもかかわらず、少し挨拶を交わしただけで、「じゃあこの資料送りますよ!」とすぐにメールをくださるほどのフットワークの軽さ。他の登壇者や参加者のみなさまも、自身の知識や感情、課題感などを惜しみなく共有してくださいました。
懇親会でも、わいわいと活発に議論され、知識が広まり、深まり、さらに組み合わさっていく過程を目の当たりにしました。「知識は共有して対話することで価値を持つ」と体感できる大会でした!

自分自身、正直申し上げて、学会とは縁の遠い日常を過ごしており、また個人事業主として事業を行う中で、大企業のような組織としてのナレッジ・マネジメントを意識する機会は少なかったのですが、今回の学会では企業からの参加者が多く、普段の自分とは異なる視点で暗黙知や顕在知を体感することができました。
素晴らしい経験をありがとうございました。(緊張の面持ちでしたが…笑)AIをどのように活用するかが今後の仕事の意味合いを本当に変えていくことを実感しました。
また、懇親会ではお酒を交えた和やかな雰囲気の中で暗黙知を共有することができ、東北福島県から参加して(片道4時間かかりましたが…笑)本当に有意義な時間を過ごすことができました。
是非、次回も参加させていただきたく存じます!
ありがとうございました!

「学会」ってちょっと小難しいイメージではないですか?
ですが、「日本ナレッジ・マネジメント学会」は少し違った印象です。
私はこの学会に個人で入会し、5年半が過ぎました。なぜ私がこの学会に入ったのか?それは、自分からは手の届かない「遠くの知」を得ることができるから。今年も学会の年次大会でそれを体験することができました。
今年のテーマは、流行りの「AI」
基調講演では、最新のゲーム事情について知ることができました。ダンジョンをつくったり、それをテストしたり。そんなことはもう人間はやっておらず、AIにやらせているなんておどろきです!
また、SECILALA仲間の発表もありました。実際に「場」をつくって、SECIモデルを体験するワークショップなどを開催した結果の報告がありました。約8割の参加者の自主的な行動につながっているとはこれまたおどろきです!今後のさらなる展開も楽しみです。

初めてナレッジ・マネジメント学会に参加させていただきました!様々な分野(ゲーム、農業、金融、教育)の現状を伺い、AIに対するぼんやりとしていた解像度がかなり上がりました。ネガティブな印象だったAIに対し期待値やワクワク感まで生まれてしまったくらいです。ただ印象的だったのは、立教大学和田先生の「AIを作るのも育てるのも人であり、AIの倫理的な判断「ロボット三原則」どうやって実装していくのか?」というお言葉が強く刺さりました。人間として外してはいけないコアな部分をご教示いただきました。
そして今回の研究発表では、日々の具体的な取り組みをシェアいただき、どの発表も「熱い想い」が根底にあり、その想いで動かす人々の姿勢こそがより良い組織、仕組みを作るのではと感じました。
コミュニティメンバーも多数参加しており、今後この経験をシェアすることも楽しみです♪企画運営に携わった学会の皆様、ありがとうございました。

いち参加者という立場であり、同時に日本ナレッジ・マネジメント学会の広報担当理事として運営側の立場を兼ねた、ある意味曖昧なポジショニングの中で当日に向けて準備を尽くしてまいりました。そして蓋を開けますと、想定したよりもずっとずっとフラットかつオープンマインド、知的好奇心を持つ人々が集う素敵すぎる場と成ったことを感じています。ちいさなSECIは少なくとも回っていたように思います。はじめからgiant stepなど誰も踏めないですよね、だからまずは参加くださったことが本当に嬉しい。SECILALAの皆さんはビジネス実践者ですから、感想の声はリアルな示唆と熱い想いにあふれています。運営側としても何か勇気のようなものを貰いました。ありがとうございました。
◆らいたーずぼいす
SECILALAから参加してくださった方々に心からの感謝を。このレポートにコメントを寄せてくださった方々の筆にあるように、学会は垣根高くそびえる組織ではないと考えています。かつてはある意味高尚なものであるべきと考えられていたかもしれません。しかし…アカデミックとビジネスの健全なコンフリクトによる起爆は、誰にとっても良い効果をもたらすと信じています。ぜひ、ご一緒に、これからも知を追求してまいりましょう。

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この活動は、NPO法人SECIプレイスの学術・文化・芸術・スポーツの一環としての位置付けでもあります。
学会理事/SECIプレイス(五十音順):清水美也子 村上 修司
発表者/SECILALA(五十音順):大崎功一 向井計都
参加者/SECILALA:18名の有志
レポート作成:NPO法人SECI プレイス
取材/ライティング:梶並珠美
ライティング監修:清水美也子@Assemblage LLC
WEB構成:水野昌彦@ideal brands.jp LLC
NPO法人SECI プレイス
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日本ナレッジ・マネジメント学会への入会案内はこちらです。
https://kmsj.org/intro/application/
興味関心を持たれた方は是非扉を開いてみてください、
きっと大きな学びに繋がることでしょう。